まるで経本?和紙を使った本(アズマ綴じ)
仕上がりサイズ | 縦241㎜×左右105㎜×厚さ18㎜ |
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綴じ方 | アズマ綴じ |
本文 | 36p(DKスノーA730g/m×18枚) |
カバー | 和紙/もみ紙(銘柄不明) |
日本の伝統文化である「和紙」。
一概に和紙といっても様々な種類があり、三大和紙と呼ばれる「美濃和紙(岐阜県)」、「越前和紙(福井県)」、「土佐和紙(高知県)」の他にも数多くの和紙が存在します。
2014年には、「和紙日本の手漉(てすき)和紙技術」がユネスコの無形文化遺産に登録されることが決まり、ニュースにもなりましたね。
無形文化遺産「日本の手漉和紙技術」
ユネスコ無形文化遺産に登録された和紙は三大和紙と一部異なり、「石州半紙(島根県)」、「本美濃紙(岐阜県)」、「細川紙(埼玉県)」の3つです。
これらの和紙は原料に楮(こうぞ)のみを使用しており、光沢があるのと、その他和紙の原料となる三椏や雁皮に比べて繊維が長いため、美しい和紙を漉くことができます。また、漉く技術や使用する水の清らかさから、変色しにくく、水に強い紙ができあがります。
(参考:HUFFPOST NEWS 和紙が無形文化遺産に 登録された3つの和紙は他と何が違う?/企画屋かざあな 日本の和紙の産地と種類ってどのくらいあるの? 2024年5月7日)
和紙ってなかなか奥が深いですね。職人の技術と伝統が詰め込まれている感じがします。
さてさて、そんなこんなで今回は、和紙を使った面白い本をつくることにしました。
それでは本日のおはなしはこちらです。
第30回製本実験
一目瞭然!今回はサイズにこだわってみました。
あまり見ないサイズですので、なかなか想像しづらいかもしれませんが、お坊さんが読む経本を思い出してもらえれば良いと思います。
開いてみると?
一応経本みたいな形になっていますが、あくまで経本「みたい」ですので、中は蛇腹折りではないんですよね。
まぁ蛇腹にするとそれこそお坊さん専用の本になってしまいそうですが。
本文に使用している紙はとても厚い紙ですので、和紙や奉書紙に書かれた題簽も貼ることができます。
「奉書紙」、聞きなれない言葉ですが意外と馴染みがあるものなんです。弔辞を書く紙やお香典、お布施を包む紙に使用されているそうです。
お手元にある方は触ってみてその厚さを確かめてみてください。
何ができる?
最近では朱印帳(通常はB6サイズ)が一般的なアイテムになっていますが、今回のようなサイズ感の朱印帳も面白いでしょう。いわゆる一筆箋のサイズなので、直接書いても良いですし、また筆で書かれた手紙や和紙などを貼って保管するのも良いですね。
本ってサイズによって大きく佇まいが変わるんだなぁと改めて感じました。
ちなみに御朱印帳の紙としても使われる「奉書紙」でつくった本もあります。そちらでは表紙を付けない、斬新な本をつくってみました。
関連記事: 表紙がないよ。本文だけだよ。(アズマ綴じ並製)
さて、本日のおはなしはいかがでしたか?
和紙を使った商品は、書道の半紙くらいしか馴染みがなく、なんとなく格式の高さからか中々使う機会に恵まれないイメージ…とにかく意識しないと生活圏に入り込まないんですよね。
…なんてことを言っておきながら、唐突にお札にも和紙が使われてるということを思い出しました。がっつり生活圏にいる…!
改めて探してみると、ライトを覆う素材として使用されていたり、最近だとマスクケースにも使われていたりと、探してみれば「あ、そう言えばあった」という感じ。意識せずとも生活圏に入り込んでいたことに気付きました。違和感なく溶け込んでいるとは……和紙の汎用性恐るべしです。
それでは和紙の潜在能力の高さに驚きつつ本日はここまで!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のおはなしにてお会いしましょう。