コデックス装のススメ
今回は、コデックス装の魅力と、コデックス装で製本した実際の製本事例についてご紹介します。
コデックス装とは?
コデックス装——製本をご検討されている方であれば、耳にしたことがあるかもしれません。
人気の製本形式で、写真集、作品集、同人誌、イラスト集などなど…様々な本で採用されています。
コデックス装
糸綴りの背中がそのまま見えるように本を仕立てる仮製本様式で、並製本に使われます。背表紙がないため本の開きがとても良く、ノド元まで綺麗に開けることが特長です。
(コデックス装については<サービス・製本技術>ページでもご紹介しています。)
今回は、そんなコデックス装の魅力と、実際に弊社で携わらせていただいた製本事例についてご紹介します。
コデックス装の魅力➀:糸色で遊べる
コデックス装では背中の糸がそのまま見えるため、使用する糸の色により違った印象を与えます。
例えば、白色の本文の綴じ糸に色糸を使用することで、お洒落感を演出することもできます。
同系色
こちらは本文用紙に近い色の糸を使用しており、糸自体が目立つものではありません。
しかし、背の糸かがりで綴じられた部分がぼこっとしていて、とてもお洒落な印象を与えます。
カラー
こちらは、白色の本文用紙を黄色の糸で綴じています。
表紙の黒色との相性もよく、より個性的な仕上がりになっています。
コデックス装の魅力②:180度開くページ
コデックス装では、背表紙がないため、ページを180度開くことができます。ノド元まで綺麗に開けるため、ページをまたぐ表現(見開きページ)の多い本——図録や写真集など――に適しています。
また、手で押さえなくても開いたままの状態を保つことができるため、開いて飾りたい本や、開いたまま置いておきたい本などに向いています。
コデックス装の製作例
コデックス装で製本した一例として、「Stock Member of Gallery Book」をご紹介します。
Stock Member of Gallery Book
紙の専門商社・株式会社竹尾のショールーム、青山見本帖で行われた、新進気鋭のアートディレクター/グラフィックデザイナー(青山見本帖「PAPER STOCK MEMBERS」)10名による、2015年3月16日(月)より行われた個展シリーズ「PAPER STOCK MEMBERS」の作品集。
青山見本帖 「STOCK MEMBERS GALLERY」展
こちらの作品は、白地の用紙に対して背に青色の糸を使用しました。背が目立つコデックス装、デザイナーさんのこだわりの詰まった作品となりました。
完成するまでのこだわりポイントをご紹介します。
青色の糸でかがった背
こちらが製本工程を終えた状態の本です。
こちらの作品集、糸の色に青色を使用しています。表紙と本文が白色であるため、青色がよいアクセントになっています。
色糸であるため、背に糊をつけて艶が出ると、糸が非常に目立ちます。
手作業での糸処理
青色の糸が目立つため、デザイナーさんからこの不要な糸をどうしても切ってほしいとのご要望をいただきました。
一本ずつ手作業で切っていくわけですから、なかなかの手間仕事。大変な作業でした。
綺麗な仕上がり
出来上がりを見て、違いは歴然!ピシッとした糸!とても綺麗に仕上がりました。
おかげさまでデザイナーさんにも喜んでいただくことができ、私たちも大変な作業でしたが、とても充足感を得られる仕事になりました。
関連記事: 製本加工実績(コデックス装)
お洒落な印象を与えるコデックス装、いかがでしたでしょうか?
最近では特に、開きが良くおしゃれなイメージを表現するため、コデックス装を採用されるお客様が増えてきています。一度お試しになりたい方は、是非弊社までご連絡ください。見積りはもちろん、今までのサンプルもたくさんご用意しております。
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