作品について
今回は、栄久堂のオンラインショップで販売中の本『boat』のご紹介です。
1996年発売の『TOKYO BAY』で木村伊兵衛賞ノミネートの経験もある、浦安市在住の写真家・野寺治孝氏の写真集です。編集はブックディレクターの幅允孝さん、デザインは尾原史和さんという超豪華なメンバーにより生み出された一冊です。
横長の上製本
こちらは80mm×370mmと、かなり横長な本です。横幅はB4判ほどあり、大きな画集と同じくらいですが、縦はかなりコンパクト。
全部で64ページあります。
ボートに乗っていると錯覚させる写真
東京湾からボートに乗って東京都心の内部を切り撮ったような写真たち。
「boat」というタイトルが付いていますが、船の姿はどこにも見えず、まさに自分自身が船に乗り水に揺られながら、水路を散歩しているような感覚に陥ります。
普段はなかなか見ることのない水路からの東京、中には江戸の雰囲気さえ感じさせるような写真もあります。
日本橋、御茶ノ水、羽田空港など、都心部に血液のように入り組んだ水路に侵入し、喧騒の都会の違った一面を感じる作品になっています。
関連リンク
野寺治孝氏の『boat』、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください。
出版社ではなく製本会社である栄久堂が発行しているため、中身だけでなく体裁までこだわった一冊となっています。
本を読んでいながらボートで浮浪するような、不思議な感覚に陥るでしょう。