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A4縦長のPUR無線綴じ上製本

A4横長「PUR無線綴じ上製本」

今回は、A4横長な「PUR無線綴じ上製本」のおはなしです。

ちょっと専門用語の羅列に見えるような呼び名ですが……実はこちら、最近特に多くご要望いただいている製本形式です。

PUR製本とは?

PUR製本とは、糸を使用せず糊で綴じる「無線綴じ」を、更にパワーアップさせた製本方法です。一般的な無線綴じにはホットメルトという糊を使用しますが、PUR製本の場合は、PUR糊という特殊な糊を使用します。

PUR製本の一番の利点は、開きの良さです。一般的な無線綴じは、本の背に糊を付けて表紙と接着しますが、本のノド元まで開くことが難しく、ノド元まで絵柄や文字が印刷されていても隠れてしまいます。また、ページ数が多い本は更に開きづらいという欠点があります。

その点PUR製本では、使用する糊の粘着強度が高く、柔軟性があるためノド元まで綺麗にページを開くことができます。ページ数が多い本でも丈夫に製本できる点が魅力です。写真集や図録など、ページ数が多く見開きで絵柄を見せたい本などでよく用いられます。

また、糊の耐熱性能と耐寒性能が高いため、極端に暑かったり寒かったりするような環境下でも、糊が溶けたりせずきちんと形を保ってくれます。PUR製本は、一見すると一般的な無線綴じの本と変わりませんが、開きのよさや耐久性などで優れています。

加えて、PUR製本に使われる糊は、熱に強いという特徴から、古紙リサイクルの工程で糊の除去が容易に行えます。リサイクルに適しており環境にやさしいという特長もあります。

栄久堂のPUR製本

PUR製本の魅力について分かったところで、今回ご紹介する、栄久堂のA4横長な「PUR無線綴じ上製本」について少しお話を。

名前だけではどういうものかよく分からないと思います。簡単に説明しますと、「A4横長」の仕上がりサイズで、「PUR」というちょっと特殊な糊を使用したハードカバーの上製本です!

実は、この仕様の製本ができる会社は中々ありません。まず、A4横長の製本を行えるところが少ないというのが実情です。通常、製本機械というのはA6〜B4までしかできませんが、A4横長となると左右の寸法が297㎜の為、A3の寸法になります。

更にPURという特殊な糊で綴じるという事になると、さらに製本できる会社は限られてきます。この糊は空気に反応して固まるため、特殊な機械でなければ製本できません。

このように、「A4横長」で「PUR」の製本となると、日本全国を探しても数社しかできないようです。

弊社では、このような付加価値の高い製本に対し、今まで築き上げたネットワークを駆使し、長い歴史で得た智恵を持って対応していきたいと思っています。

                                                      背に2種類のクロスを貼ったドイツ装の本

今回は、PUR製本と、栄久堂のA4横長な「PUR無線綴じ上製本」についてのおはなしでした。

今後、本というのは今以上に「保存していく作品」という要素が高まっていくと思われます。そうすると今以上に多種多様な仕様の製本が求められてきます。

栄久堂は、そういったご要望に、全力で応えていきます!

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