温故知新——古きよき製本機械——
製本技術の発展した現代。一般的なライン製造の工程で用いられるような機械ではありませんが、実はその特性を活かして、現代でも密かに活躍しています。
「焼きつけ」とは?
こちらの「焼きつけ」は、恐らく50〜60年くらい前のものだと思われます。
従来の使い方は、機械の鉄板部分にガスで点火させ熱くなったところで、本文に糊や膠を付けて表紙と接着させます。熱の入った鉄板で上下・左右の両方から締め付け、本文と表紙を合体させます。
右と左の2連式になっていますが、所詮、片方で5冊程度ずつしか作業ができないため、生産量は知れています。でも、昔の職人さんはこれらの機械を使って、数千冊〜数万冊も生産していました。想像するとすごい作業ですよね。
ずっしりとした機械。歴史を感じます。
本の締め作業で活躍
この機械、今となっては昔のような使い方はしていませんが、実は、本を締めるという作業においては大変便利です。熱を入れずにただ締めるだけですが、ちょっとした作業を行うときに活躍します。
最近の機械はほとんどがラインになっていますので、最初の工程から最後の工程まで一貫生産となっており、途中の工程だけの作業を行うことが難しくなっています。
そんな中、ライン途中のこの「締める」という作業だけを抜き出して行いたい場合、この機械が非常に役に立つのです。
機械についているラベル。電話番号の局番がまだ3桁の時代です。
現代における古い機械の有用性
この他にも、弊社には40〜60年前の機械がいくつもあります。どれも昔と同じように使っていたら、何の価値も生まない機械です。
しかし、使い方を少し工夫することによって、今の時代に合った役割を得たり、現代の機械と一緒に使うことによって、新たな価値を生み出すことができるのです。
今回は、栄久堂で活躍している古い製本機械「焼きつけ」についてのおはなしでした。
まさに「温故知新」、古きを訪ねて新しきを知る、弊社の古い機械を眺めながらそんなことを思いました。これからも歴史と伝統を大切にしながら、新しい風もどんどん取り入れていきたいと思います。
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