しおり紐(スピン)の小話
一般書籍ではあまり見なくなったしおり紐ですが、こだわりの一冊に、特注や変わった仕様でしおり紐を付けるのもお勧めです。
しおり紐(スピン)とは?
しおり紐(スピン)は最近ではあまり見かけませんが、手帳や日記帳などで、ブックマークの役割として使われています。一般書籍では新潮文庫が唯一しおり紐を使っています。
このしおり紐ですが、「スピン」というのは専門用語です。語源は不明ですが、日本独自の表現のようです。
(参考:Wikipedia スピン (本) 2024年7月16日)
しおり紐(スピン)の種類
しおり紐(スピン)には、太さや色の種類がいくつかあります。
下の写真は、東京板橋区にある伊藤信男商店さん(製本材料などを扱っている商社)の見本帳です。色や太さ、糸、編み方の違いなどで70種類くらいあります。本の大きさ等によって、太さや長さをお好みで決められる方が多いですね。
しおり紐(スピン)のオーダーメイドも
既存のスピンではお気に入りが見つからず、スピンを糸から編むケースもあります。
下の写真が編んだ後のものですが、とっても鮮やかに仕上がっています。この案件は、デザイナーさんが細部までこだわっており、どうしてもスピンを特注したいということで決まりました。このスピンにまでこだわる姿勢——商品への気持ちの入り様が私達にも伝わってきて、何とかお応えできるよう頑張りました。
当時、糸から編んでスピンを作った経験は初めてでしたが、とても勉強になりました。そして、もっともっとこだわりのある製本のため、日々努力していきたいと感じました。
しおり紐(スピン)の可能性
本の脇役的な存在のしおり紐ですが、珍しい素材を使ったり変わった仕様にしたりすることで、おしゃれさやオリジナリティを高めることができます。
過去に製本実験室では、4本のスピンが付いた本をつくりました。本自体はシンプルな作りですが、4色のカラフルなスピンがアクセントになっています。
機能面でも、個人的にスピンが複数付いているというのは便利な場面が多々あるなと感じています(例えば参考書や資料、ガイドブックなどなど…複数ページをブックマークしておきたい時に便利です)。
関連記事: 4本のスピン、並製の花布(アジロ綴じ並製)
今回はしおり紐(スピン)の小話でした。
こだわりのしおり紐、ちょっとした個性の演出になります。製本の際にはぜひご検討ください。
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