スポーツ新聞を表紙に(上製本+アズマ綴じ)
仕上がりサイズ | B5変形(縦257㎜×左右180㎜×厚さ10㎜) |
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綴じ方 | アズマ綴じ仮製本+ハードカバー |
本文 | 36p(ユーライト 46/135k) |
表紙 | 新聞紙(芯材:NPCC#30) |
付き物 | 見返し |
皆さんこんにちは。
最近の製本実験室では、シックな見た目の本が続いていましたが……
今回は、なかなかインパクトのある本に仕上がりました。
それでは本日のおはなしはこちらです。
第69回製本実験
今回は一目瞭然。
上製本の表紙に新聞紙を使ってみました。
毎日読んでいて見慣れているという人もいれば、紙の新聞なんて暫く読んでいないなあという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
どんな本?
英字新聞はよく包装紙に使われていたりしますが、今回使用したのは日本の新聞紙。しかもスポーツ新聞です。
オシャレさの演出なら英字新聞というイメージがありますが、日本の新聞もレイアウトや文字のサイズ感、配色など細かい工夫があり、表紙デザインの一部としてしっかり役割を果たしてくれています。
今回使用したページも、配色やデザインなど、バランスが取れていてなかなか面白いと思いました。スポーツ新聞は特に紙面が華やかですので、表紙に向いているかもしれません。
開いてみると?
本文は一般的な書籍、白色の用紙を使用しています。
栄久堂オリジナルのアズマ綴じを採用。180度フルフラットに開きます。ページのノド元までしっかり見えますので、見開きで表現したいコンテンツなどにぴったりです。
何ができる?
実際に大量生産する場合、新聞紙で心配なのは強度ですね。PP加工(ビニール加工)などを施して、加工時に破れたりしないようにする必要があります。1冊つくる程度であれば、このままでも大丈夫そうですが。
新聞紙の風合いって、なかなか良いなあと思いました。簡単に思いつきそうなアイデアですが、実際にやってみると、使うページによって異なるデザインになり面白かったです。
今回のように本物の新聞紙を使用するなら、リサイクルや環境保全に関する本だったり、歴史や時代に関わる本——現代社会・政治・経済などの学校の教科書に使ったりすることもできるかもしれません。
実際の新聞紙を使用するのではなく、表紙の文字と写真を新聞紙のそれのように配置して、新聞紙風のデザインにするというアイデアでもよいですね。
今回のおはなしはいかがでしたか?
アイデアとしてはそこまで奇抜なものではありませんが、実際の新聞紙を表紙にすることができるんだ、という可能性の提示にはなったかと思います。
最近はネットニュースもありますし、新聞を買って読む習慣を今も続けている方は少ないかもしれません。
それでもこんな再利用方法があれば、第二の使い道になりますよね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のおはなしにてお会いしましょう。