全長5m超!パノラマ風景や絵画に使える蛇腹製本
仕上がりサイズ | B4変形(縦310㎜×左右240㎜) |
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綴じ方 | 蛇腹製本(12山) |
本文 | 22p(上質紙しらおい 四六55㎏) |
表紙 | 色上質 特厚 ブルー |
皆さんこんにちは。
突然ですが、本の内容って様々ですよね。物語なのか、教材なのか、情報なのか、芸術なのか…
また、表現方法は活字だけとは限りません。絵だったり写真だったり手描きの書だったり…
今回も中々面白いものをつくりました。
本をつくる時、表現方法に合わせてぜひ採用してみてほしい製本技術です。
それでは、今回のおはなし、まいりましょう。
第38回製本実験
爽やかなブルーの表紙…
至って普通、今回はシンプルな本のようです。
開いてみると?
この何の変哲もない本。開いてみましょう。すると…… なんと、本文が繋がっています!
実は今回の試作品、製本ですが綴じていません。全ページが繋がっており、蛇腹状になる製本形式を用いています。
どんな本?
お坊さんが読むお経本、あれがまさにこの蛇腹製本です。通常の製本のように本の背で綴じられているのではなく、数枚の紙が繋がって一冊の本ができています。下のイラストのような感じですね。
このイラストは蛇腹の山が6山ですが、今回製作したものは12山、全部で24面、ですので全部広げると240㎜×24面=5m76㎝にもなります。
お経本でこれだけ大判なものは通常ありません。大体お経本のサイズは、A4やB5サイズを縦に半分に割った、縦に細長いサイズが多いです。
今回はB4近くある大きな判型です。B4サイズは、B5サイズの2倍の大きさです。新聞に折り込まれるスーパーなどのチラシを思い浮かべていただけるといいと思います。
何ができる?
例えば最近よく見かける、パノラマ写真や風景写真の本に採用できそうですね。これぐらい大判なパノラマ写真集があっても面白そうです。
スケール感を表現する細長い絵画やイラスト、書などをインテリアとして飾ってみるのも良さそうです。
また、持ち運びができる蛇腹のボードゲームのようなもの、そんな展開もあるかもしれません。
今回の本体に使った用紙はとても薄い紙でしたが、もっとコシのある紙でしっかりとした作りにしたら、用途が広がるかもしれません。
さて、今回のおはなしはいかがでしたか?
これだけ広い(長い)キャンバスがあれば、いろんなものを描けて表現の幅も広がりますね。
ぜひ、皆さんの想像力で、色々アイデアを膨らませてみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回のおはなしでお会いしましょう。