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HON-NO-HANASHIほんのはなし

家の形をした本

本の形は自由自在。開く前から楽しめる本

仕上がりサイズB5変形 [縦257㎜(最長部分)×左右182㎜×厚さ5㎜]
綴じ方無線綴じ並製
本文60p(マットコート 110kg)
見返しNTラシャ(あい)130kg
表紙ユニフェイスW22kg

皆さんこんにちは。

本は読みものだから中身が大事なんだ!というのはもちろんですが…本を開く前から、その風貌で楽しめることができたらもっと素敵だと思いませんか?

先日、本屋でパンの形をした絵本を見つけて、面白いなあ~と思いました。本を開く前からもう楽しいですよね。

今回は、そんな斬新な見た目の本をつくってみました。

それでは本日のおはなしはこちらです。

                                                        家の形をした本

第43回製本実験

今回は、普通のB5サイズの本を斜めに断裁して、家や将棋のコマのような形にしてみました。

いやあ、最近将棋にハマってましてね……というわけではないのですが(笑)

どんな本?

よく色々な形に抜かれた絵本がありますが、それと同じで、断裁する時に、ガイドを作成してそれに合わせて断裁しました。この要領でやってみると、色々な形ができそうです。

本文にはマットコート紙を使用しました。光沢がなく、しっとり、すべすべした質感です。パンフレットやチラシなど一般的な印刷物で多く使われる紙です。

向きを変えると野球のホームベースのようにも見えます。ホームベースの先端って結構尖っているんですよね。家なのか、将棋なのか、ホームベースなのか… 意外と何にでも化けられそうな本となりました。

                                                        本を閉じた様子

                                                        本を閉じた様子

綴じ方には、糸を使わない「無線綴じ」を採用しています。

無線綴じ

本の綴じ方の一つで、流通する出版物の多くに使用されている技術です。糸などを使わず、本の背にのりを付け、ページ全体をくるむようにして綴じます。

無線綴じ

一方で、もう一つ代表的な製本技術として「中綴じ」があります。

中綴じ

無線綴じと異なり、糸や針金を使って綴じる方法です。本のノド(根元)まで開けるので見やすく、ページ数の少ないパンフレットなどに適しています。

中綴じ

その他にも目的に合わせて様々な綴じ方があります。
栄久堂の製本技術については、<サービス・製本技術>ページで詳しくご紹介しています。

開いてみると?

開くとまるで2軒のお家が連なっているようです。

文字と絵でいろんな表現ができそうですね。

                                                        本を開いた様子

何ができる?

コンテンツを考えるにあたっては、やはり絵本でしょうか?形が変わった絵本はたくさんあるので、絵本の内容によって形を決めるのもいいですよね。

戸建てのパンフレットなどにしても面白そうです。普通のA4の冊子よりも、家の形をしているだけで読み手が楽しい気持ちになれそうです。

写真集にもできますね。自宅に世界の窓を集めた写真集があるのですが、正方形サイズの本ですので、そんなコンセプトの本だったらこの形がぴったりだと思いました。あとはレストランのメニュー表なども作れそうです(この形を見てびっくりドンキーさんのメニュー表が思い浮かびました)。まあ、あちらは頭の部分がもっと丸くて観音開きになっていますが。

取り扱いについては、屋根部分の先端が結構尖っているので、このままでは持ち運びに向いていないですね。触っただけで痛いですし、鞄の中にいれておくと、色々傷つけてしまいそうです。持ち運ぶには、前回の作品のように角丸加工をした方が良いでしょう。

部屋の隅に置いて、インテリアの一部として飾っておくのがいいかもしれませんね。もう少し厚い紙と上製にして、自立できるような仕様にすれば開いて置いておくこともできます。

                                                      家の形をした本

今回のおはなしはいかがでしたか?

本は読むものですが、形という外見を工夫することで本文の内容がより直感的に伝わるのもいいですね。四角形でない本というのは何といってもオシャレですし、読み手も楽しくなります。同じ要領で六角形の小さい本などもつくってみたらきっと可愛いですね。

見て触って楽しめる、更に本文に匂いも付けて、嗅覚でも楽しめるようになんてしたら面白いかもしれません。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

また次回のおはなしでお会いしましょう!

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