
第75回製本実験
本の全体像がこちら。
見た目にはごく一般的な本ですが、人気の「ドイツ装」という装丁を用いてつくっています。

ドイツ装とは?
ドイツ装は、背と表紙・裏表紙を別々につくり、後で合体させる製本様式です。
ドイツ装
綴じ方には糸かがり綴じを用い、表紙の背の部分と平の部分に別の素材を使った継ぎ表紙とします。表紙と本文に段差を持たせ、本に高級感をもたらすことができるのが魅力です。
お洒落な本の背
今回弊社で作成したのは並製本であったため、背にクロスを巻いて、その上からチップボールを貼り、最終的に三方を断裁して仕上げるという手法で行いました。
本の背のあたりの形はとても面白いです。まさに漢字の「凸」のようですね。

開きのよい構造
ドイツ装は、その開きの良さも長所です。
本のノド元まで比較的綺麗に開けるため、見開きで見せたい写真集や図録にも適した装丁です。

異素材でオリジナルの「ドイツ装」に
ドイツ装は一般的な装丁と異なり、表表紙・裏表紙と背表紙が分かれているため、紙以外にも様々な素材を使うことができます。布や革をはじめ、金属や木材、アクリル材など、一般的な本ではなかなか見ないような素材も表紙にすることができます。
表裏の表紙と背の部分に異なる素材を用いることで、本の印象も大きく変わります。見た目のデザイン性の高さとは別に、使用する素材にも一工夫加えることのできる装丁です。
以前、弊社で製本を担当させていただいた「GRISAL」さまのカタログでも、ドイツ装を用いています。見た目にオシャレなだけでなく、開きのよい構造で、写真をメインで見せたい商品カタログで力を発揮してくれました。
関連記事: 実物の布サンプルを綴じた「GRISAL」カタログ
さて、今回のおはなしはいかがでしたか?
異素材を使ってみたいという時や、お洒落さをプラスしたい時など、ぜひドイツ装の採用をご検討ください。デザイン性が高く、洗練された印象になります。
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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のおはなしにてお会いしましょう。