書道や詩の作品集に、縦長・両観音折りの本
仕上がりサイズ | B4変形(縦315㎜×左右122㎜) |
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綴じ方 | アズマ綴じ |
本文 | 104p(8p両観音×13丁)上質紙しらおい 四六55㎏ |
表表紙/裏表紙 | ダンボール |
皆さんこんにちは。
前回の製本実験室では、蛇腹製本で経本のように本文が繋がった本をつくりました。
それから何かもう少し発展できないかなあ…と、考えまして…、今回も面白い本をつくってみました!
それでは本日のおはなしはこちらです。
第39回製本実験
さて、今回は前回のお経本にならって、超縦長の本をつくりました。
開いてみると?
表紙は表と裏にダンボールを貼って、中身は両観音折りになっています。ページをめくった状態から更に開くことができます。
観音折りとは、紙の両端を中央に揃えて内側に折り、更に中央で2つ折りにする折り方のことです。「観音開き」のような構造からそのように呼ばれます。パンフレットなどに使われることが多い形式です。
どんな本?
写真では分かりにくいですが、左右それぞれにページが広がるようになっています。出窓を両手で広げるようなイメージですね。
紙面を広げると、折りたたまれた状態よりも横に4倍のサイズになります。表裏を合わせると8面ありますので、かなり広範囲でダイナミックな演出ができます。
綴じ方は、フルフラットで開きの良いアズマ綴じを採用しています。
何ができる?
今回のサイズは超縦長ですので、やはり詩集や俳句集などに適していると思います。表ページにはイラストが描かれていて、両サイドのページを開くと中には美しい言葉が広がっていたり、またその逆も良いかもしれません。両サイドのページを広げることによって、隠れている世界が広がるような、飛び出す絵本のような感覚に近いですね。
あるいは書道の作品集などにも力を発揮しそうです。縦書きの作品を載せる頁と、一つの作品を横書きで見開きに大きく載せる頁をつくるなど、面白い見せ方ができそうです。
今回の試作品では、中身は和のテイストになっていますが、表紙にはダンボールを貼ってカジュアルさを表現しています。背中にクロスを貼ってみたり、箔押しを施してみるのも良いかもしれません。麻布の表紙に箔押しをして和風でおしゃれな雰囲気を出す、なんてのも良さそうです。
俳句集なら、表紙はちりめんやもみ紙などと相性が良さそうですね。
今回のおはなしはいかがでしたか?
本文を観音折りにすることで表現の幅もかなり広がると思います。
今回は縦長で観音折り、本文も薄い紙を使用しているため和のテイストが大きく感じられる作品になりましたが、使う紙の種類や色合いを変えるだけでもかなり雰囲気が変わると思います。
製本形式は和風ですが、中身は完全な洋風!のような、和洋折衷な本が生まれても面白いですね。
「こんなのできるかな?」と思ったら、お気軽に弊社までご相談ください。面白いアイデアをお待ちしています!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回のおはなしでお会いしましょう!