全頁袋綴じ+背巻き製本
仕上がりサイズ | B6変形(縦126㎜×左右126㎜×厚さ13㎜) |
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綴じ方 | 袋綴じ(背中にボンドで仮固め) |
本文 | 88p(クラフトペーパーデュプレ HT124k) |
背のクロス | ワールドクロス タンタンピース #650-BLK |
子どものころ、袋綴じってワクワクしましたよね!
小口部分が裁断されておらず袋状に残してあったり、糊で誌面の端を綴じたりしてある、アレです。
中に付録が入っていたり、カレンダーのように切り離して使えるようなものもありました。
今回は、そんな袋綴じ製本で本をつくってみました。
さて、本日のおはなしはこちらです。
第10回製本実験
今回つくってみたのは、背巻きの袋綴じ製本です。
開いてみると?
本を閉じた状態ではその特徴が分かりません。開いてみましょう。
はい、持ち上げてみると分かるように、全頁袋綴じになっています。
本文用紙は裏と表で色が違っているので、袋が少し開いた時、中の色がチラッと見えるのがおしゃれですね。
どんな本?
背中には光沢のある布クロス(タンタンピース)を貼り、本文は全て袋綴じ仕様。本のサイズが小さいので厚さを少々つけてみました。
寸法は126㎜。重箱くらいの大きさです。手のひらサイズと言いますか、少々小さいので持ち歩きやすく、また開きやすい仕様になっています。
ホローバック仕様ではありませんが、今回は背中をボンドで固めただけ。ホローバックとはまた違った開きやすさです。
ホローバック(広開本)
表紙の作り方の一つ。背中と表紙を接着させずに、背の部分を空洞にします。背が崩れにくく本が開きやすくなるため、現在では料理のレシピ本や地図など両手を離して読むような本に多く採用されています。
表紙タイプにも様々なものがあります。今回は背中をボンドで固めてみましたが、並製本、上製本、それぞれに適した表紙の付け方、素材もいろんなものがありますので、目的に合わせてチョイスするとよいですね。
栄久堂の製本技術については、<サービス・製本技術>ページで詳しくご紹介しています。
何ができる?
今回はクラフトペーパーを使用しており、内側の色もナチュラルな色合いですが、袋綴じの中の色が派手なものにしたりしても面白いと思います。
閉じた状態だと、少し厚みがあるだけで何の変哲もない本に見えますが、開くと全頁袋綴じというのがなかなかオツです。
もちろん、物語の結末や重要な部分だけ袋綴じにしてみたり…そんな袋綴じの使い方もアリです。
さてさて、今回のおはなしはいかがでしたでしょうか?
あまりサイズが小さすぎてもそれはそれで使いづらいですし、無くしやすくなってしまう…。そう考えるとあまり見ないサイズではありますが、これくらいの大きさの方が逆に使いやすいのかも知れませんね。
ポケットなどに入れる時は少々場所を取ってしまいますが、ウエストポーチなど少し大きさがあるものだったら余裕で入ります。ですので普段使いできそうな……なにかがあれば良いなぁと。
それでは本日はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございます!
また、次回のおはなしでお会いしましょう。