お店のメニューブックに。全方向に掛けられるバンド付きの本
仕上がりサイズ | B5変形(縦225㎜×左右156㎜×厚さ13㎜) |
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綴じ方 | 糸綴り並製 |
本文 | 96p(サテン金藤 46/135k) |
皆さんこんにちは。
最近ノートを見ていて、あることを思いました。「ノートのゴムバンドで何か変わったことができないかなあ」と。
一般的なノートのゴムバンドは縦か横に留められるようになっており、ページの中に何か挟んでも抜けにくく、ページがバラバラしないので便利なんですよね。
もう少しゴムバンドを面白いデザインにしてみたいなあ…と思い、今回のサンプルが生まれました。
それでは本日のおはなしはこちらです。
第54回製本実験
今回はゴムバンドが表紙についているノートです。
が、表表紙の見た目が通常のノートと若干違います。
どんな本?
市販されているものでゴムバンド付きのものをたまに見かけますが、ほとんどが縦か横方向に留めるようになっていますよね。そして一般的に縦に掛けるものの場合、ノートの裏面の天地2箇所にゴムが留めてあると思います。
今回はノートのバンドを斜めに、それも対角に掛けられるようにしてみました。ここだと斜めの他に縦や横にも掛けられます。実際にかけてみると、これがなかなかオシャレでいい感じです。
対角に掛けると・・・
ちょっと変わったデザインのノートに。
縦に掛けると・・・
一般的なノートのようにスッキリ。
表4(裏表紙)のコーナーに取り付け
一か所に留めることで3方向掛けが可能に。
開いてみると?
本文は何の変哲もない普通のノートです。
開いた時に使わないゴムバンドの処理は、ページに掛ければスッキリ。これは我ながらいいアイデアだと思いました。
何ができる?
斜めに掛けると表表紙にゴムが2箇所通るので、ゴムとの間に何か挟むのにも便利かもしれません。わたしはゴム付きのノートは表紙に何か挟みがちなのですが、小口側で縦方向に留めるものだと、挟んだ紙がスルッと抜けてしまったりします。これならその心配はなさそうです。
今回はやさしい色味の表紙とゴムを使っていますが、黒や白など主張しない色の表紙に派手めな色のバンドにすると、バンドがいいインパクトになりそうです。バンドの太さももう少し太くしてみてもいいかもしれません。
例えば、お店のメニューブックなど、斜めに留めるデザインだと、通常の縦に留めるデザインよりもおしゃれで洗練されたイメージを演出できるかもしれません。使用する色を黒の本体に表紙は金の文字、金のゴムバンドにすれば、一気に高級感が出そうです。
今回は角の処理はしていませんが、デザインによっては―例えば柔らかい雰囲気を演出するなら角丸加工を施してもよいと思いました。
細部までこだわりたいデザインの時は、こんなゴムバンドの掛け方ができる本もいいですよね。
今回の仕様も決して大量生産に対応できるような内容ではありませんが、こんな本(ノート)があったらいいなぁと思うものをつくることができました。
今回はゴムバンドですが、過去にはリボンで閉じる本もつくっています。併せてご覧ください。
関連記事: リボンで閉じる、オリジナルの一冊(アズマ綴じ)
さて、今回のおはなしはいかがでしたか?
特にすごく何か変わったデザインではないですが、ありそうでない仕様のノートだと思います。
汎用性の高いデザインだと思いますので、ぜひ製本の際のアイデアの引き出しにしまっておいて、何かの折に使ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回も何かのヒントになれば幸いです。
また次回のおはなしでお会いしましょう!