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HON-NO-HANASHIほんのはなし

本を閉じて小口側から見た様子

角切り+金色の腰帯(コデックス装)

仕上がりサイズA5変形(縦180㎜×左右148㎜×厚さ10㎜)
綴じ方仮製本(コデックス装)
本文68p(ユーライト 46/110k)
表紙無し
付き物腰帯、角切り

皆さんこんにちは。

ついこの前2024年が始まったかと思えば、もう10月も終わりを迎えようとしています。

今年のハロウィーン、皆さんは何かご予定がありますでしょうか?私は外に出て騒ぐより、のんびりお家で過ごしたい派ですので、ハロウィーンらしくホラー映画を見て、本を読んで過ごしたいと思います。

雑談はこの辺にして……それではお待ちかね(?)の、10月最後のおはなし、まいりましょう。

                                                        本を閉じた様子

第67回製本実験

本日の主役はこちら。

白い本体に、何やら帯のようなものが巻かれています。

どんな本?

腰帯の反対側、天側を見ていただけるとその特徴がよく分かるかもしれません。

今回は一言で説明しますと、「コデックス装の角を切ったもの」に、「腰帯を付けた」製本です。

                                                      本を閉じて小口側から見た様子

角を見てみると?

特別変わった仕様ではありませんが、天側の角だけでなく、4つの角全てを切っているというところが面白いです。

帯の掛かった部分を見ていただくと分かりますが、角を切った部分に掛かっている帯は角が切れていないため、そこに三角のスペースができています。この隙間が何ともオシャレですね。今回は帯がゴールドですので、その隙間がより一層よい雰囲気を醸し出しているように思います。

量産品で今回のように角を切ることは難しいですが、1,000部程度であれば十分に対応可能だと思います。

                                                      本を閉じた様子

開いてみると?

開くと面白い形になりますね。

背中側の天地の角も切り落としてあるため、本を開いた根本にも三角形ができています。開いた時にちょうど見える帯の内側の三角形に、何か柄や色を入れてみてもいいかもしれません。

こういった対になって同じ形になったデザインを見ると、幼い頃に折り紙を切って切り絵で遊んだ時のことを思い出します。

                                                      本を開いた様子

何ができる?

デザインとしては、面白い形×コデックス装というお洒落な仕様ですので、デザインやアートの本に向いていそうです。
コデックス装は丸出しの背中が特徴。毎度おすすめしていますが、背中の糸に色糸を使ってみたりして遊んでもいいですね。(コデックス装×背中に色糸というデザインが、筆者は特にお気に入りです♪)

表紙がない構造ですので、アルバム集やスケッチ集として、いくつかの巻をまとめて箱に収めるような形にしてもよいと思います。シリーズものの表現に、本体に巻いている帯の色や柄を変えるのもありですね。

以前、小口側の2つの角を切った本をつくりましたが、その時は三方塗装を施し真っ黒な本に仕上げました。今回は白い本体にゴールドの帯で印象も随分変わりますね。

                                                        閉じた本を地側から見た様子

                                                        本を閉じて小口側から見た様子

今回のおはなしはいかがでしたか?今回の仕様はどんな印象を与えるでしょうか?

今までも帯を巻いたり角を切り落としたりしたことはありますが、今回のように4つの角全てを切り落として表紙をなくし帯を巻くというのは初めての試みでした。

過去の製本実験室でもいろんなデザインの本を製本しています。ぜひ、他の記事もチェックしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。また次回のおはなしにてお会いしましょう。

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