スタイリッシュで目立つデザイン、天地に斜め線の入った本
仕上がりサイズ | B6変形(縦180㎜×左右127㎜×厚さ32㎜) |
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綴じ方 | 無線綴じ並製 |
本文 | 800p(淡クリームキンマリ 46/55k) |
表紙 | アートポスト46/180k |
見返し | タントY-8 46/130k |
カバー | 用紙:不明 帯:色上質 黒 特厚 |
皆さんこんにちは。
弊社の職人は、何やら最近小口や天地の色付けにこだわっているようで……
今回も、天と地に色塗りした本をつくりました。
それでは本日のおはなしはこちらです。
第52回製本実験
こちらが今回の本。
今回は斜めに色を付けています。
どんな本?
実はこちら、地の黒色だけでなく、天の部分にも赤色で色付けしています。天側は赤、地側が黒、地側には黒色の腰帯も掛かっていて、良い具合に調和しています。
ほんのちょっとのアクセントですが、随分と見え方が変わりますね。少しの色が入っているだけで、普通の単行本とは一線を画します。
大量生産できないのが残念ですが、こんな本が書店に並んでいたら、間違いなく目立つでしょうね。
以前、今回と同じ黒と赤の2色で、断面が本の横方向にストライプに色付けされた本をつくりましたが、今回は斜め線が太めの一本だけですので、もっとスタイリッシュな印象ですね。以前の本は細かいストライプがたくさん入っているデザインだったので、もう少しポップでカジュアルな雰囲気に仕上がりました。
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開いてみると?
天と地、色違いですが同じ方向に斜めの線が入っています。上下で対象といった感じですね。
何ができる?
ページのコンテンツと完全に無関係だったら「何故、線・・・?」となるかもしれませんが、使い方によってはよい表現方法になるのではと思います。
例えば、2つの対極する要素を持つ本であれば、本の前半と後半というように分けるのではなく、本の上下で分けてみるのはどうでしょう?上部分のコンテンツは「天」を下にして左開きで読み進め、下部分のコンテンツは「地」を下にして右開きで読み進めるとか…。文字数の多い内容だと読みづらいかもしれませんが、ページ数が少ない写真やイラストメインの本なら面白いかも。
他にパッと思いつくのは、デザインの本。デザイナーに向けた本で、OKとNGのデザインを両開きで載せているような本がよくあるのですが、それを上下に配置してみるなんてのもできそうです。(上半分が逆さだと読みづらいかもしれないので、そういう場合には文字の向きは同じ方向でよいと思いますが…)
写真アルバムなら、運動会の赤組と白組という具合に上下で分けても面白いかもしれません。
もしくは対極でないにしても、上半分のコンテンツと下半分のコンテンツで分けるような場面でも使えると思います。上半分が写真で下半分にその説明を入れるなど…。
さて、今回のおはなしはいかがでしたか?
今回のサンプルの風貌は小説ですが、デザイン自体はいろんな厚さや表紙や本文用紙の種類、綴じ方で活かせると思います。いろんな場面で使える汎用性の高いデザインですね。
今回も何かのヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のおはなしでお会いしましょう!