正円にくり抜かれた表紙
仕上がりサイズ | A5変形(縦151㎜×左右151㎜×厚さ20㎜) |
---|---|
綴じ方 | 糸綴り仮製本+背巻き |
本文 | 136p(ユーライト 46/110k) |
表紙 | NPCC#30に寒冷紗を合紙、中心を円形に窓抜き |
皆さんこんにちは。
11月最初の製本実験レポートです。本格的に読書の秋、堪能されてますでしょうか?
あっという間に今年も残すところあと2か月となりました。
毎年ぼやいている気がしますが、時間が経つのが本当に早いですねえ。
これからの寒い季節、お休みの日はお家に籠ってあったかいコーヒーと読書を楽しみましょう。
それでは本日のおはなしはこちらです。
第68回製本実験
今回は表紙を円形の窓で抜いた本を作りました。
たまに子ども向けの絵本などでも見かけますが、表紙がくり抜かれていて、中が見える仕様になっています。
どんな本?
表紙だけ丸にくり抜き、本体はそのままです。また、通常は見返しごとくり抜かれますが、今回は表紙のボールの部分だけを抜いて、見返しは残しました。中からは窓抜きされていません。
以前、表紙はそのままで、本体を額縁のようにくり抜いた本をつくったことがありますが、今回はその逆。
見返しの裏に印刷を施すと、その窓から見えて面白そうです。
形は綺麗な正方形。今までにも真四角に近い形のものをつくったことがありますが、縦横が完全に同じ長さの正方形は今回が初めてかもしれません。
表紙のみ正円にくり抜き
見返しには穴がありません
関連記事: 本の宝箱!額縁風に窓抜きした本
本の背は?
背表紙はなく、背にはクロスを貼っています。
綴じ方は通常の糸綴りです。綴じてある部分が少しだけ凹っとなっているのが分かります。
開いてみると?
背表紙がなく、背にはクロスを貼っていますので、開きはよいです。
根元までしっかり開くことができます。
何ができる?
窓抜きで見せたいコンテンツといえば、やはり思いつくのは写真アルバムでしょうか。インパクトのある写真がどーんと真ん中にあれば、人目を惹くこと間違いなしです。
変わった手触りの布や紙を貼ってみて、触って楽しい仕掛けにしても面白いかもしれません。販売されているタオルのパッケージで、よく、丸くくり抜かれたところから手触りを確認できるものがありますよね。あのイメージです。
正方形に正円というのが、バランスが取れていて良いですよね。個人的には正方形の本が好きです。何となく、それだけでお洒落な感じがしませんか……?
過去に似たようなスタイルで、表紙をひし形にくり抜いた本をつくったことがあります。
その時は、長方形の表紙×ひし形のくり抜きでしたが、それも中々バランスが取れていて、よい仕上がりとなりました。
関連記事: 美しい断面!3色の本文とダイヤに窓抜きされた本(アズマ綴じドイツ装)
今回のおはなしはいかがでしたか?
正方形の表紙を正円でくり抜くアイデア、なかなかいいと思います。
表紙に置く文字の配置なども、円形に添わせてみたり、上下に配置したり、いろんな工夫ができそうです。
ぜひ、製本の際のアイデアとしてお役立てください!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のおはなしにてお会いしましょう。