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HON-NO-HANASHIほんのはなし

閉じた本を小口側から見た様子

見返しにボール紙を綴じてみたよ

仕上がりサイズA5変形(縦200㎜×左右148㎜×厚さ18㎜)
綴じ方糸綴り並製+背中にクロス貼り
本文136p(16p折×8)、8p(上質紙 46/135k)
表紙金色の紙(銘柄不明)+芯材NPCC#20
見返しチップボール(1ミリ厚×2枚)

皆さんこんにちは。

毎週火曜日更新、製本実験室の製本レポートです。

機能的に工夫した本が少し続いたので、この辺で斬新なデザインの本をつくりたいな~と思いまして……

今回は、機能的なこだわりはあまりありませんが、ちょっとだけ変わった製本アイデアです。

それでは本日のおはなしはこちらです。

                                                        本を閉じた様子

第65回製本実験

表紙の内側に、何やら白い本文とは別のものが挟まっています。

その正体は、紙の側面に色がついているボール紙。

本文に一緒に綴じたらどう見えるかな?とふと思い、やってみました。

開いてみると?

糸で綴って背中はクロスを貼っており、しっかり根本まで綺麗に開けます。

本の側面から見ると分かり易いですが、赤色と青色のボール紙が表紙の内側に綴じてあり、内側から青・赤・表紙の黄と、3色の層になっています。

ちょうど見返しがボール紙になっている構造ですね。

                                                      本を開いた様子

地側から見た様子

                                                        本を開いて地側から見た様子

表紙を開くとボール紙が

                                                        開いた本の側面

真っ白な本文だと、カラフルな層が目立ちます

出来栄えは?

うーーーん……正直、期待したほどのインパクトはなかったように感じます。

確かに側面を見ると、赤と青の紙が一緒に綴じられていますが、これは別にボール紙でなく、本文の紙が赤でも青でも変わらないかなという気も。

過去に何度も本の側面が塗られている(三方塗装の)作品をつくっていますが、やはり全体がムラなく塗られている方が綺麗に見えますね。

「ボール紙」という、普通の本文用紙とは違う素材を使っているので、見栄えというより異素材を使うという意味で、面白い試みではあると思います。

                                                      閉じた本を地側から見た様子

何ができる?

このアイデア、どんな場面で活かせるでしょうか……?

表紙の見返しを厚紙にするメリット……例えば、写真アルバムのような使い方はどうでしょうか?巻頭と巻末に写真を載せたい時、ボール紙に貼ることでアルバムのような雰囲気を出せます。

子ども向けの絵本や学習を目的とした書籍なら、ボール紙の部分をパズルにしたり、そういうおまけ要素の表現方法としても活かせそうです。

                                                      本を閉じた様子

今回のおはなしはいかがでしたか?

今回は取り立てて特別ではありませんでしたが、少しでも何かのヒントになれば幸いです。

製本実験室では、その他にも面白いデザインの本や変わった素材を使用した本をつくっています。
ぜひ、過去のおはなしもチェックしてみてください!

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最後までお読みいただきありがとうございます。それではまた、次回のおはなしにてお会いしましょう。

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