本と箱が一体化?(スイス装/コデックス装)
仕上がりサイズ | A5正寸横長(縦148㎜×左右210㎜×厚さ16㎜) |
---|---|
綴じ方 | 糸綴りコデックス装/スイス装/箱型表紙 |
本文 | 260p(用紙:上質紙系) |
表紙 | 用紙不明(芯材:NPCC#36) |
皆さんこんにちは。
12月最初の製本実験室です。
気づけば今年も残すところ、後1か月となりました。あっという間ですね…!
冬も本格的に始まり、寒い日々が続きますが、皆さまこたつにみかん、読書を楽しんでいらっしゃいますでしょうか?
そろそろ製本実験室のネタも切れてきておりますが……
毎週楽しみに読んでくださっている方もいらっしゃるようで、とても嬉しいです!
今年もあとわずか、ネタが切れるまで……もう少しお付き合いください!
それでは本日のおはなしはこちらです。
第72回製本実験
今回はこちらの本。
パッと見はカチッとした普通の本?ですが、実は、表紙が箱のようになっています。
どんな本?
ありそうで中々ない製本様式です。
閉じた状態だとただの箱のようにも見えますが……ちゃんとした書籍です。中には本文が隠されています。
開いてみると?
表紙を開いてみると……そこには本が収納されています。箱のようにパカッ!と開くイメージですね。
装丁は人気のコデックス装です。表紙を開くと本文の背が丸見えです。本文の背が表紙に接着されておらず、表紙と本体を「表3と本体の最終ページ」で接着する、「スイス装」の要素もあります。
実は以前にも表紙が箱のような本をつくりましたが、そちらは表紙が両サイドに開くようになっており、本文の天地がむき出しになっていました。
今回は片側から開けるようになっており、天地まで覆えるようになっています。今回の方がより箱っぽいですね。
関連記事: 箱のような書物(糸綴り並製)
何ができる?
箱のようなカチッとしたスタイル、高級感があり洗練された佇まいですね。本棚に大切にしまっておきたくなるような、そんな本になりそうです。
表紙が箱のようになっているので、誰にも見られたくない日記帳とか、ノートとか……そんな、とても大切に、心のどこかにしまっておきたいような、そんな本に適しているかもしれませんね。
サイズはA5正寸の横長です。写真アルバムにしてもよいですし、日記帳なら本文用紙に厚めの紙を使ってスケッチを描いたりスクラップブックみたいにしてもよさそうです。
今回のおはなしはいかがでしたか?
表紙がパカッと開き、箱のように本文用紙を収納できる本でした。
箱付きで箱に仕舞えるような本はありますが、箱のような表紙と本文が一体化している本は中々ないアイデアですね。何か特別な本の製本で役に立つ製本アイデアかもしれません。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のおはなしにてお会いしましょう。