ヌバテックス+仮フランス装で高級感のある仕上がりに
仕上がりサイズ | A5変形(縦224㎜×左右153㎜×厚さ10㎜) |
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綴じ方 | アジロ綴じ並製、仮フランス装 |
本文 | 96p(ダルアート 46/135k) |
表紙 | ヌバテックス+アートポスト220kを表裏合紙 |
見返し | 2p×2(色上質 鼠 46/110k) |
皆さんこんにちは。
最近の実験室では、結構奇抜な色味やデザインの本をたくさんつくってきましたので、今回は少しシックなものにしました。
それでは本日のおはなしはこちらです。
どんな本?
表紙に使ったヌバテックスという銘柄は、紙クロスですが革のような触感があるのが特徴です。ちょっとヌメッとしていて、革のようなシワがあります。高級感がありますね。
ビニールクロスに合わせたアートポストという紙は、アート紙の中でも厚手で、光沢性の高いものです。
今回は仮フランス装と呼ばれるスタイルにしました。
仮フランス装
日本独自の製本方式。表紙を1~3mmほど大きくして四方を折り返し、本体の見返し部分をくるみます。
類似したものでフランス装がありますが、仮フランス装は四方の折り込みを糊どめで貼るのに対し、フランス装は四方の折り込みを糊どめしません。
綴じ方は、糸を使わず本の背に糊を付け、ページ全体をくるむようにして綴じる「アジロ綴じ」を採用しています。
開いてみると?
本体の見返し部分を表紙がくるんでいます。仮フランス装の特徴ですね。
一見、小口側が折り返されているので、一般書籍のカバーの様にも見えますが、背中が綴じられています、カバーのような表紙ということですね。
何ができる?
ヌバテックスの表紙は何とも洗練された印象を与えますね。歴史的な書物―― 例えば、古典文学や詩集、歴史や文学の本にどうでしょうか。レザーのような質感ですので、自然や生物の本にも向いていると思います。他には旅行記や、冒険の話、アルバムや辞書などにも使えそうな製本アイデアです。
こういったビニールクロスや合皮を使用した書物はなかなかないので、一気に付加価値が増すと思いました。単価を下げて大量ロットで生産し多くが返本される現況も良しですが、価値の高いものを必要なだけつくって大切に使っていくという考え方に今後はシフトしていくのかなぁと、ふと思いました。
どういった形で役に立てるかわかりませんが、今後も面白いものをつくり続けていきたいと思います。
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さて、今回のおはなしはいかがでしたか?
今回は黒色でシックな印象になりましたが、前回のように鮮やかな色を表紙に使えば、同じ素材でもまた印象が変わると思います。
仮フランス装を用いることで、一風変わった本に仕上がりますので、こだわりの一冊にはおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回も何かのヒントになれば幸いです。
また次回のおはなしでお会いしましょう!