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HON-NO-HANASHIほんのはなし

全面真っ赤なノート

企業/チーム/アーティストカラーに染める、全面一色の本

仕上がりサイズA5正寸(縦210㎜×左右148㎜×厚さ10㎜)
綴じ方糸綴り並製(コデックス装)
本文192p(OKフールス44.5kg)
表紙NTラシャ濃赤 135kg

皆さんこんにちは。

最近、相変わらず文房具屋巡りにハマっています。
素敵なデザインのノートを見つけたらついつい買ってしまうのですが、スマホのメモ機能を使うことも多く、ノートを使う場面は年々減ってきています。

わたしは書き間違いが多いので、昔は簡単に破って捨てられるリングのノートを買うことが多かったのですが、リングだと嵩張るし、何よりも簡単に紙を捨ててしまうと資源の無駄になってしまうので、最近はリングでないノートを買うことの方が多いです。

スマホを使うこと自体、温室効果ガスの問題だったり廃棄時のゴミの問題だったり、環境に悪い要素がたくさんあるので、スマホを使う代わりにノートを大事に使った方がいいのかもしれません。

どう捉えるかは人それぞれだと思いますが、特に本は修復することもできるので、環境保護の観点からも捨てられずにずっと生き続けてほしいですね。

それでは本日のおはなしはこちらです。

                                                        全面真っ赤なノート

第44回製本実験

さて、今回は真っ赤なノートを製本してみました。

どんな本?

サイズは普通のA5サイズ、綴じ方は開きの良い糸綴り製本。ここまではいたって普通のノートですが…なんと、本の四方を表紙と同じ赤で着色してみました。小口だけでなく、天・地・背、全てが真っ赤です。

折った本文を糸でかがり、背の部分を糊で固める「コデックス装」という製本形式を採用しています。
背に表紙がないため、背の部分も赤色で着色することができました。

表紙に使用している「NTラシャ」という紙は、画用紙のようなざらっとした手触りの紙で、表と裏でほとんど違いがありません。100以上のカラーバリエーションがあり、冊子の表紙以外にも、画材用紙やカード類、名刺、ポスターなど、様々な製品に使用されています。

                                                        天・地・小口・表紙 全て真っ赤なノート

                                                        本を背から見た様子

開いてみると?

見返しも赤色ですが…当然、中身はノートですので白紙です。今回は方眼用紙を綴じています。

外観からは、全面一色のためノートとは思えない、何だかよく分からない四方体ですが、一旦開いてみると、そこには方眼が印刷されていて、間違いなくノートが広がっています。

とても奇抜な風貌をしていますが、わたしはなかなか好きです。

                                                        表紙を開いた様子

                                                        見返しを開いた様子

                                                        本文用紙 本を開いた様子

                                                        本文用紙 本を開いた様子

何ができる?

オシャレかどうかは分かりませんが、こんなノートを打ち合わせなどで使っていたら、注目されることは間違いないでしょう。会話の糸口というのはどこに転がっているか分かりません。企業カラーやチームカラーのようなものがあれば、こういった主張の激しい変わったアイテムを持つのもいいかもしれません。

チームカラーと言えば、スポーツ。日本では野球を思い浮かべますね。例えばこのノート、カープグッズとして売り出したら人気になること間違いなしです(もしかしたら既にあるかも)!
スポーツやアーティスト、企業のカラーなどなど……単純にカラーを全面に使うというだけですが、四方が同じ色に着色された本はなかなか目にしたことがありません。結構インパクトがあります。

今回つくったA5サイズは、A4サイズのちょうど半分の大きさで、大きすぎず小さすぎない、手帳やノートの中でも重宝されるサイズ感です。A4サイズは持ち運びに大きすぎるし、A6サイズだと小さすぎる…A5サイズの本やノートは使いやすく容易に持ち運べるので便利です。

                                                      全面真っ赤なノート

本日のお話はいかがでしたか?

「ちょっと変わった本」や「オリジナリティのある本」というのは、ちょっとした工夫で実現することができます。

今回は一色を全面に使うという方法をしてみましたが、綴じ方や用紙の種類を変えてみたり、大きさを変えてみたり、いろんなアプローチができますね。前回のように、小口の天地を角丸にしてみるのもよさそうです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。製本をご検討されている方へ、少しでも何かのヒントになれば幸いです。

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それでは本日のお話はここまで。次回のおはなしでお会いしましょう!

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