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HON-NO-HANASHIほんのはなし

閉じた本を小口側から見た様子

2冊を1冊に。2段階構成の本に使える製本アイデア(アズマ綴じ並製)

仕上がりサイズB6変形(縦180㎜×左右128㎜×厚さ45㎜)
綴じ方アズマ綴じ並製
本文196p(上質紙 46/135k)
表紙NPCC#28+上質紙46/135kを表裏合紙

皆さんこんにちは。

それでは本日のおはなしはこちらです。

                                                        閉じた本を小口側から見た様子

第57回製本実験

今回の本は、結構な厚みがありますね。

真ん中に種類の違う紙が挟まっているのが分かります。

どんな本?

今回は、ちょうど真ん中に厚いボール紙を一緒に綴じこんでみました。横から見るとクリームがはさまったカステラのようです(ちょうど美味しいカステラをお土産でいただきまして…)。

よく学参書などで回答集など取り外しができる本がありますが、今回のもそれに似ているかもしれませんね。取り外しはできなくとも、前半部分と後半部分が完全に分かれています。

                                                        閉じた本を小口側から見た様子

                                                        中心に厚いボール紙が綴じてある本 全体像

                                                      閉じた本を背から見た様子

開いてみると?

アズマ綴じの並製、開きの良い本です。

見た目からすると、1冊の本の中に2冊の本が綴じられているように見えます。

                                                        本を開いた様子

                                                        本を開いて立てた様子

何ができる?

用途としての良いアイデアはどんなものがあるでしょうか?
1冊の中に2種の本が存在することによってメリットを生むような何か面白い企画があれば良いと思います。

2つで一つ…… うーん、ダイエットのビフォーアフターはどうですか?前の自分とは決別するという意味も込めて、間に厚手のボール紙を綴じる、と。ご自身のダイエット記録を本にする方はいらっしゃらないですかね…?
人に教えるためのダイエット本はありますが、普通の一般的な並製の本が多いですよね。

あとは、演劇などの前編と後編を一緒に綴じた本とか?1冊の本ですが2つの異なる要素が一緒になっている感じを出せると思います。左開きと右開き、どちらから読んでもOKという内容の本があったら、それを真ん中でしっかり区切るのも良さそうです。単純に間に色の違う紙が綴じてあるというのではなく、逆から中心に向かって読むこともできるって感じで…。

厚手のボール紙のおかげで本がしっかり独立するので、ボール紙を見開きで写真やイラストを載せて魅せるようなデザインもできそうです。アルバムの一番見せたい部分を真ん中の見開きに持ってきて、インパクトを出す方法です。2冊を1冊にしているというよりは、真ん中のボール紙を魅せたい要素を目立たせるために使うという…。開いて置けばそのままインテリアとして飾ることもできます。

どうでしょうか…?何かのヒントになりますように。

今回は取り外しができない仕様になっていますが、過去には、本の中に本を綴じ取り外しができる、少し違った仕様の本もつくっています。

さて、今回のおはなしはいかがでしたか?

大量生産の本というよりは、特別な一冊をこだわってつくりたい時に候補に挙がるような製本形式でしょうか。

ぜひ製本のアイデアの一つとしてお役立てください。

最後までお読みいただきありがとうございます。

また次回のおはなしでお会いしましょう!

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