箱のような書物(糸綴り並製)
仕上がりサイズ | AB版(縦257㎜×左右210㎜×厚さ25㎜) |
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綴じ方 | 糸綴り並製 |
本文 | 350p(エアリーボウル 46/70k) |
表紙 | クロス:銀河N0361-2 芯材:NPCC#38 |
中表紙 | ロベール46/180k |
見返し | ロベール46/135k |
こんにちは、最近急に寒くなってきましたね。
なんでも関東地域でももう雪が降ってる場所があるとか。あれ?この時期って雪降る季節でしたっけ……?
年末並みの寒さと聞いた今日。今、10月なのに年末並み……?そうなると年末の寒さが予想もつかないですね。例年の防寒具じゃ今年の冬は乗り越えられなさそうです。恐ろしい。
それでは今年の寒さに震えつつ、本日のおはなしはこちらです。
第20回製本実験
今回はちょっと高級感を感じられるような、表紙が箱のような製本をしました。
どんな本?
表紙は厚めのボール紙にクロスが貼られており、Vカットという手法を使っています。角が直角になっており、とても高級感を感じるような体裁になっています。
Vカット
折り目を曲がりやすく加工するためのスジ、溝をV字にカットした製品です。V字にする事で折り曲げた時に隙間が出来る事なく、角の立つ造りになります。
開いてみると? – Part 1
片方だけの開きですが、それでも本文より大きいのが分かります。もう片方も開けば……大きさは相当なものですね。
開いてみると? – Part 2
完全に左右に開くと左右寸法630mmが展開されます。その中心に本があり、一枚一枚ページをめくるその時間はまさに玉手箱でも開くかのような感覚を得ます。
表紙は非常に厚めの芯材(3ミリ厚)を使用しているため、右と左に開く際に感じるしっかりとした重さ。
綴じ方は通常の糸綴り並製。これだけ厚い芯材でカバーされているので保管や衝撃にも十分耐えうる構造になっています。
これから何十年、何百年と後世に受け継がれていくような大事な書物には正に最適な一冊ですよ。
何ができる?
がっしりした造りは大切にしたい本にピッタリ。
閉じる時は左右の表紙を重ねる感じになります。普通の本がパッ、と開けるのに対し、右→左(あるいは左→右?)。と二回開く動作をするわけですが、その手間がより高揚感を感じさせる手助けになると思います。
その確かな重厚感が高揚感を高め、まるで子供の時に感じた本の世界へ飛び込む感覚を思い出させてくれます。
さて、本日のおはなしはいかがでしたでしょう?
今回の製作はVカットが施されている箱と書物が一体化されている、という事が特徴です。
左右の展開寸法も大判ですので、サイズ的なメリットを生かし、左右に広がる絵柄を使えば、とても見事で大迫力な表現が出来ると思います。
是非採用してみてはいかがでしょうか。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回のおはなしでお会いしましょう!