少し違う無線綴じ製本「アズマ綴じ」
仕上がりサイズ | 縦182㎜×左右122㎜×厚さ13㎜ |
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綴じ方 | ホットメルトによる表紙くるみ無線綴じ+α(企業秘密) |
本文 | 208p(マーメイド 46/70k ナチュラル、白) |
表紙 | 表紙(NTラシャ みずいろ 46/130k) |
およそ8か月振りとなってしまいましたがお久しぶりです。
最近ではコロナ第七波や台風、また気温差の激しさと気持ち的にも身体的にも中々辛い現状が続いております。
しかしこういう時にこそ普段以上に気を引き締めて乗り越えていきたいですね。
余り頑張りすぎると逆に疲れてしまうので適度に、適度にです。
さて、本日のおはなしはこちらです。
第2回製本実験
実は今回の本、一見何の変哲も無い書籍のように見えますが、開いてみるとその特長が分かります。
開いてみると?
こちらの本、とても開きが良くノド元のギザギザが全く出ていないのです。
どんな本?
今回の製本形式は、弊社オリジナルの綴じ方です。
通常PURの無線綴じ製本においても多少グラインダーのギザギザが見えてしまうものですが、この製本方式では全くと言って良いほど見えません。
厚紙にも適しているので、開きの良さを求めた並製本にはとても良いかと思われます。
こだわりの一冊を作る時はぜひとも候補に挙げてほしい綴じ方ですね。
ちなみに一般的な「アジロ綴じ」と「無線綴じ」。この二つは同じ製本方法ですが工程の一部に違いがあります。
アジロ綴じ
本文を折る過程で本の背になる部分にミシン目状のスリットを入れます。このスリットがアジロと呼ばれるもので、アジロを入れる事で接着剤が浸透しやすくなりページ同士がしっかりと固まってより丈夫な仕上がりになります。
無線綴じ
本文の束(折丁)をページ順に重ね、背表紙側をカットして傷をつけます。そして接着剤を浸透させた後に表紙でくるみます。
アジロ綴じは折のまま本を作るので接着が強く、耐久性に優れていますが薄手の紙だったり折数が多かったりすると接着剤が浸透し辛くページが抜けやすくなってしまいます。
逆に無線綴じは厚手の紙にすると本を開いた時背表紙(接着剤の塗られている側)に大きな負荷が掛かるため背割れを起こしやすくなり、使用年数や扱い方によっては一枚ずつバラけてしまう製本方法になります。
こちら新開発した製本方式なのでまだまだ試作段階。
ですのでもう少し強度なども含めて検証する必要がありそうですが、少しでも興味のある方はぜひともご一報ください。お待ちしております。
【2024年6月10日更新】
こちらの製本形式は、「アズマ綴じ」と名付けられ、これまでに様々なクライアント様から採用いただいております。(ありがとうございます!)
「アズマ綴じ」を使った製本実験もたくさん行っておりますので、ぜひ覗いてみてください。
関連ページはこちら
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