ワンダルアート(アジロ綴じ)
仕上がりサイズ | A4変形(縦305㎜×左右203㎜×厚さ20㎜) |
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綴じ方 | アジロ綴じ(背中に特殊な布を貼り、開きをよくしたもの) |
本文 | 100p(ワンダルアート K/125k) |
表紙 | クロス:ファインツイルNo.270-10 |
流れ目の特性と紙の伸縮
こんにちは。今日のおはなしはちょっとした紙の豆知識から。
皆さんは、紙には「流れ目」があるのをご存知ですか?
紙の流れ目
紙には製造工程において繊維の流れ方向があり、それに沿った紙の流れ目が出来ます。紙の流れ目には下記のように割きやすい、折りやすいなどの特性に影響します。
紙の流れ目は使用する用途によって大きく関係するので、きちんとその特性を把握することが重要です。 流れ目は下記のような紙の特性に影響します。
湿度による紙の伸縮
紙は湿度によって紙内部の繊維が膨潤したり収縮したりすることで流れ目と垂直方向に伸縮することがあります。そして、紙の表裏の伸縮度合の差により紙が反ってしまうという現象が起こり得ますが、下図のように流れ目と平行方向に反りやすくなります。
そのため紙を保管する場合、その保管する環境の湿度管理に注意が必要です。
こちらのサイトでわかりやすく説明されていますので興味のある方はご覧ください。
[出典(画像):takeopaper.com]
第12回製本実験
さて、本日の実験、まいりましょう。
今回は、ちょっと大きめのサイズで開きがとても良い、表紙にクロスを使用したサンプルを作ってみました。
開いてみると?
本文は開きのよいアジロ綴じ。180度以上の開きを実現しており、ノド元も通常の無線綴じやPUR製本を行う時に発生するガリ目が出ていません。フルフラットに開いても何の問題も生じないので、思いっきり開いても大丈夫です(もちろん普段折り曲げるほど開くことはないと思いますが)。
何ができる?
本文に使った用紙は「ワンダルアート」と言い、平滑性があり、色の発色に優れた紙です。
この本は写真集などに最適な一冊ですね。厚めで開きが良いため一枚一枚をしっかりめくってじっくり見ていく。そんな感じの写真集に適していると思いました。
表紙もハードカバーのように厚い紙ではないので全体的に非常に柔らかい印象を与えます。
本日のおはなしはいかがでしたでしょうか?
弊社オリジナルの製本技術、「アズマ綴じ」も開きがよく、180°フルフラットに本を開くことができる綴じ方です。ページを跨ぐ大きな写真や絵柄の表現や、手を放した状態で読みたいレシピ本など、様々な場面で活躍します。
開きのよい製本形式、コンテンツに合わせてぜひご検討ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回のお話にてお会いしましょう。