栄久堂の想い
企画チームの一員として、
まだ世の中にない「新たな本の価値」を発信します
昔むかしの製本仕事といえば、職人さんが手作業で上製本(ハードカバー本)を作っていくことを指していました。大正期に創業し、昭和期に事業を拡大した栄久堂もまた、職人さんたちの技によって発展してきた会社。国民的人気漫画や有名雑誌の製本にも携わり、文字通り「歴史の1ページ」にその名を残してきたのです。
やがて時代は、高度経済成長の歓声と混沌の中へ。並製本(ソフトカバー本)の大量生産へと舵を切った栄久堂の作業場では、職人さんから機械へと主役が代わりました。多忙を極める現場では、誇りとしていた上製本の仕事を受けられなくなるほどの状況だったと聞いています。
20世紀が終わりを迎えるころには、製本業界の運命を大きく変えることとなるインターネットが台頭しました。紙からウェブへの大転換期、出版業界の業績は軒並み右肩下がりとなり、栄久堂は減り続けていく仕事をどうにかつなぎながら、他社にはないオリジナリティを追求して生き残りを模索することとなります。私たちのオリジナリティとは――? その答えは、栄久堂の原点から脈々と受け継いできた職人仕事にありました。
機械は短時間に大量の本を作れますが、「他にはない形やサイズの本を作りたい」といった個別のご要望には応えきれません。お客さまの思いをかなえるために職人の技を発揮する。極力「できない」とは言わない。どうしてもできないのなら別の提案を出す。そうして経験と知見を積み重ねた結果、「この仕事は栄久堂にしか頼めない」と言ってくださるお客さまが増えてきました。
企画チームの一員となって、お客さまとともに本の新たな価値を発信していく仕事には、一言では表現しきれないやりがいがあります。まだ世の中にない本を作るために、私たちは今日も職人の技を磨き続けています。
栄久堂の原点
1924(大正13)年、佐藤栄造と久作という2人の青年が、「優れた書物を後世に残したい」との思いから御皇室で保管されている傷んだ書物を直す事業を始めました。創業の地は東京・神田の神保町。歴史の刻まれた書物を一つひとつ手作業で丁寧に綴じ直し、新たな歴史への架け橋を担っていったのです。その2人の頭文字を取って「栄久堂」が誕生しました。それから約100年の歳月が流れ、情報伝達手段は紙からインターネットへと劇的に変化しています。それでも私たちは、紙でしか表現できないこと、紙だからこそ伝わることがあると考え、あえて紙にこだわり続けています。100年前の栄造と久作が次世代への架け橋を担ったように、現代の人々の熱く深い思いを紙に載せて、後世に伝えます。
沿革
- 大正13年創業
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榮久堂罫線所
東京市神田区神田今川小路一丁目一番地 - 昭和15年
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榮久堂
東京市神田区神田今川小路一丁目一番地 - 昭和22年
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住所変更
東京都千代田区神田神保町3-27 - 昭和25年3月3日設立
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有限会社 栄久堂
東京都千代田区神田神保町3-27 - 平成3年
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移転
東京都台東区橋場2-20-2 - 平成8年12月25日
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移転
東京都文京区関口1-8-3 - 平成13年8月27日
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移転 敷地646.65㎡
東京都江東区辰巳1-5-27 - 平成30年1月5日
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移転 (東京オリンピック関係)
埼玉県川口市青木3-13-24
代表メッセージ
本作りに向けた「わがまま」を
どんどんお聞かせください
本の可能性を追求する技術があります
活字離れや出版不況が叫ばれる中でも、新刊の刊行点数は伸び続けています。本の売り上げを維持していくためには新しい本を市場へ投入し続けるしかない、という実情があるのかもしれません。一般的な形式の本を大ロットで作っていく、いわば「工業製本」と言える本作りのニーズに、私たちは全力で対応していかなければならないと考えています。
一方で栄久堂には、手作りで仕上げ、本自体がモノとしての価値を有することになる「工芸製本」の技術が受け継がれています。機械では作れないサイズの本や、これまでに見たこともないようなデザインの本、あるいは個人の方がご依頼くださる世界で一冊だけの本まで、どんなアイデアに対しても最大限に可能性を追求して実現してきました。そうして生み出されるのは、単に活字で情報を伝えるだけではなく、見た目の美しさや手触り、匂いといった五感にまで訴えかけていける本です。
アイデアの実現に向けて全力を尽くします
世間で言われる活字離れや出版不況は本当なのでしょうか。私たちは本の良さや魅力を表現しきれているのでしょうか。そして、本の良さや魅力を味わい尽くせているのでしょうか。私は、本にはまだまだ可能性が眠っていると信じています。事実として私たちが手がけた仕事では、一冊数万円もするような高額の本が初版で完売するといったことも目の当たりにしてきました。
現代の本作りに問われるもの、それは見た目やデザイン、質感も含めた企画力です。工業製本と工芸製本を両立できる存在として、栄久堂はこれからも本作りに携わる方々の「わがまま」をたくさん聞いて、斬新なアイデアにワクワクしながら、企画を実現するためにできる限りの努力をしていきたいと考えています。
代表取締役佐藤 丈幸
(プロフィール)
1972年生まれ。高校卒業後に渡米し、ノースカロライナ州立大学ファイン・アート学科でグラフィックデザインや彫刻、写真、油絵などを学ぶ。卒業後は現地のデザイン事務所にてグラフィックデザイナーとして勤務。帰国後は広告制作会社勤務を経て、1999年に栄久堂入社。2009年より現職。
会社情報
- 商号
- 有限会社 栄久堂
- 住所
- 〒332-0031
埼玉県川口市青木3丁目13番24号 - 電話
- 048-299-9195(代表)
- FAX
- 048-299-9196
- webサイト
- https://www.eikyudo.com/
- info@eikyudo.com
- 設立
- 1924年(大正13年)2月
- 代表取締役
- 佐藤 丈幸
- 社員数
- 20名(2021年現在)
- 取引銀行
- 城南信用金庫
東京東信用金庫
みずほ銀行
アクセス
JR京浜東北線川口駅よりバス「青木3丁目」バス停下車 徒歩すぐ
環境方針
栄久堂は環境と調和した豊かな循環型社会を目指し
企業活動を通じて地球環境に貢献します。
- 当社は事業活動及び製品・サービスに伴う環境影響を特定し、環境目的・目標を設定し、
定期的見直しを行い継続的な改善に努めます。 - 適用される法規制を遵守すると共に汚染の予防に努めます。
- 環境保全に取り組みリサイクルの配慮や廃棄物の削減や騒音等の環境負荷の削減に努めます。
- 省エネ・省資源を推進し資源の有効活用に努めます。
- グリーン製品の開発に努めます。
- 環境配慮資材の優先購入に努めます。
- 従業員への環境教育を実施し環境意識の高揚に努めます。
- 環境方針を公開します。
有限会社 栄久堂
電話番号:048-299-9195
Mail:info@eikyudo.com